Research &
Development
研究開発事業
Breakthrough ideas are born from rethinking common sense.
常識を問い直すことから、
“ブレークスルー発想”
が生まれる。
ナノエッグのあらゆる事業活動の基盤は、皮膚研究とそれによる技術開発です。その研究開発の中核となるのが、
「必要な薬物を必要なタイミングで適切な場所に届ける」ことを可能にする技術=DDS(ドラッグデリバリーシステム)です。
近年、このDDSは医療や薬学の領域で注目されていますが、ナノエッグは有用性が高く副作用の少ない薬剤を、
いかに効率よく作用させるかを常に研究しています。
その研究開発を両輪となって推進しているのが、ナノエッグの「ナノカプセル技術」と「液晶技術」であり、
それぞれが世界初のテクノロジーとして成果をあげています。
医療技術の開拓と進歩に不可欠なのは、常識にとらわれない発想と不屈の精神、そしてたゆまぬ挑戦です。
ナノエッグは医学・薬学に加えて、物理学や生命科学などさまざまな領域の知見を融合させながら、
これからも新たな発見と革新的なテクノロジーを生み出していきます。
Drug Delivery System 薬物送達システム
ドラッグデリバリーシステム(DDS) の技術を有するナノエッグでは、有用性が高く副作用の少ない薬剤を、
いかに効率よく作用させるかを常に研究しています。
研究開発の両輪となっているのが、「ナノカプセル技術」と「液晶技術」であり、それぞれが世界初のテクノロジーとして成果をあげています。
ナノエッグは医学や薬学に加え、物理学や生命科学などさまざまな領域の知見やノウハウを融合させながら、
新たな発見と革新的なテクノロジーを生み出しています。
ナノカプセル技術
Nanoencapsulation technology
弊社のナノカプセルは、直径が数~数十nm(ナノメートル)で極めて小さいサイズです。カプセル表面は約1nmの無機質(炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム)薄膜でコーティングされ、成分のほぼ100%がカプセル内に包接されています。
カプセル表面は、皮膚表面に親和性の高いデザインが施されているため、皮膚浸透性に優れています。
ナノという単位は、10億分の1メートルの長さを示します。他社が一般的に使うナノカプセルは100~200ナノメートルであるのに対し、私たちが開発に成功したナノカプセルの直径は、大きいものでも十数ナノメートル、小さいものではわずか数ナノメートルです。
私たちは、レチノイン酸(ビタミンAの生理活性体)をはじめとしたいくつかの成分のナノカプセル化に成功しています。
液晶技術
私たちのもうひとつの技術は、液晶技術です。液体と固体双方の性質を持ち、液状でありながら結晶のように分子が規則正しく並ぶ状態を液晶と呼び、パソコンやテレビ画面で知られていますが、人の皮膚の中にも液晶に類似の構造が存在しています。
テレビ画面などに応用されていますが、サーモトロピック液晶と呼び、熱や電気の力で構造を変えることが可能です。ナノエッグが考える液晶はリオトロピック液晶と言われ、水が含まれている液晶を中心に研究をしています。健康な皮膚は角質細胞のすき間に「細胞間脂質」が水分を保ちながら整然と並んで、しっかりとした「ラメラ(構造)」になっており、細菌などの異物の侵入を防いでいます。「NANOCUBE®(ナノキューブ)」は、そのラメラを瞬間的に揺るがすことで角層内にルートをつくり、有用な成分の浸透力を高めると同時に、皮膚が自己回復能力を発揮できる状態へと導きます。
「NANOCUBE®(ナノキューブ)」は、ナノエッグのメディカルコスメ(医療機関専売化粧品)を始め、すでに様々な化粧品メーカーが販売しているスキンケア化粧品の機能性素材として配合されており、今後は第2、第3世代医薬品の外用基剤としての応用が期待されます。
Drug discovery 創薬研究
弊社代表の山口は、自身の子供のアトピー性皮膚炎に苦しんでいました。様々な民間療法を試し、布団、カーテンを防ダニ、抗菌性に買い替え、とにかく隅から隅まで掃除をするなど、考えられるあらゆる方法を試しましたが、子供のアトピーが改善することはありませんでした。
ある日、山口は東北のあるクリニックを訪れ、そこで処方された紫色の外用薬に衝撃を受けました。
今までかゆみのためにいつも縮こまって眠っていた娘が、この薬を塗ったその日から大の字で朝までぐっすり眠ることができました。
そして、数日後にはごわごわだった皮膚はきれいな皮膚に生まれ変わり、みるみる症状が改善されていきました。
「この薬はいったい何なのか?」
何年もの間子供も家族も苦しんだアトピーが、なんと塗った瞬間から劇的に改善するこの事実に衝撃を受け、何としてでもこの薬理効果を解明し苦しむアトピー患者をなくしたいと考え、弊社の創薬研究は始まりました。
アトピー性皮膚炎から始まる
創薬へのチャレンジ
Drug Discovery Challenges Begin
with Atopic Dermatitis
私たちは、紫の薬=ピオクタニンブルーであることに気づきましたが、なぜ劇的にアトピー性皮膚炎を改善するのかわかりませんでした。
その理由と、そして何よりもアトピーになぜなるのか、その原因を知ることに力を注ぎました。
その原因を知るために何年もの時間が必要でしたが、原因が明らかになったことで、ピオクタニンブルーに変わる新薬を開発する決断をすることができました。
現在、弊社の研究開発チームは、様々な疾患の共通メカニズムに焦点を当てた新薬の開発を進めています。アトピーに起きている発症原因と同様のメカニズムがさまざまな疾患にも関与していることにに気づき、新薬が予想以上に多くの疾患に有効であることが期待されています。
弊社の目標は、より多くの患者に希望をもたらし、生活の質(QOL)を向上させることです。新薬の開発には多くの時間と努力が必要ですが、その先には多くの患者が救われる未来が待っていると信じています。
Cosmetic Formulation Research 化粧品製剤化研究
類をみない新しい界面化学の発見に挑戦
Challenge to Discover Novel and
Exciting Interfacial Chemistry
ナノエッグはスキンケアを中心に製剤化研究をしており、独自の浸透技術を応用した製剤の処方検討や製品を生産するためにスケールアップ検討を行っています。化粧品の製剤化には界面化学、いわゆる“乳化”に関する知識や経験が求められます。乳化とは、水と油のようにお互いに混ざり合わないものを均一にすることを指し、スキンケアではクリームや乳液、最近では化粧水や美容液にまで応用されているため、乳化は欠かすことのできない研究です。乳化をコントロールすることにより、保湿などの機能的な付加価値はもちろんのこと使用感触などの情緒的付加価値の創造を図っています。
私たちは、基本的な機能である保湿だけでなく、肌荒れやしみ、しわなど肌のさまざまな悩みに応えることも重要な課題と捉えており、製剤の機能性向上の研究がされています。スキンアはいつまでも使っていたくなるような心地よい使用感が求められますが、実際にはお肌への有効性は使用感から抱くイメージとは食い違っていることがあります。ナノエッグはエビデンスに基づいた皮膚研究を重要視しており、細胞実験や臨床研究を通じて肌の根本的なケアに取り組み、本当に美しい肌の実現に挑戦しています。
Atopic dermatitis
アトピー研究
厚生労働省の2017年「患者調査」によると、日本におけるアトピー性皮膚炎患者数は2017年時点で50万人を超え、
約30年間で2倍以上に増加しています。乳幼児期に発症することが多い病気ですが、成人まで持ち越す人や、
いったん症状がよくなった後に再発する人も少なくなく、患者さんや家族の生活の質や精神面に大きな影響を及ぼしています。