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たるみ|Sagging skin

たるみの主な原因には、加齢による皮膚中のコラーゲンの減少や、筋肉が衰えたり減少することによって、皮膚の元々あった弾力が失われることによって引き起こります。これらは主に、顎、太もも、臀部などといった部位がよく目立つとされています。
また、日頃の運動不足や、生活習慣の悪化による肥満なども影響があるとされています。顔のたるみでいえば、毛穴、涙袋、ほうれい線、二重あごなどがあります。なかでも二重あごなどのフェイスラインのたるみは、表情筋のたるみと深くかかわっています。表情筋は皮膚にくっついているため、表情筋がたるむと、顔の肌までたるんでしまいます。

ターンオーバー|Turn over

私たちの皮膚は、一枚ではなく角質層などの表皮層、コラーゲンを有する真皮層で構成されています。
表皮の角質層は、表皮細胞が角化して死んだ細胞が層状に重なりあったものです。その間を天然の保湿成分であるセラミドなどがつなぎ合わせて形成されています。
表皮の基底層では、日々、細胞分裂が行われて、新しい細胞がどんどん作られています。
そして、古くなった細胞は、肌の表面に上がってきて、角質層となって表皮の一番上に出てきます。やがて、古くなった角質層は、2週間程度でアカとなって自然にはがれ落ち、新しい肌が出てきます。
この細胞が作られアカとなって剥がれ落ちるまでのお肌の入れ替わりを「ターンオーバー」といい、通常約28日サイクルで行われます。

脱毛|Depilation

脱毛とは、様々な体中の部位の毛を処置によって生えてこなくするというものです。
このやり方はさまざまなものがありましたが、かつてはニードル脱毛といい、毛穴のひとつひとつに針を差して毛根を焼いていくという方法が主流でした。このやり方は今でも毛深い部位に対しては行われているやり方ですが、今時ならば男性の髭などの非常に太く強い毛が他の処置をしても生えてくる場合に行われており、ごく限定的になっています。
一方、主流となっているのは光脱毛です。これは何かというと、毛穴に生えている毛を通じて光による強い光や熱によって毛根組織を破壊し脱毛を行うというものです。処置の時にあまり痛くなく、肌にも負担をかけづらいやり方としてとても人気のある方法です。

チロシナーゼ|Tyrosinase

チロシナーゼは、皮膚のメラニン生成を引き起こす酵素です。
肌は紫外線をはじめ、ストレスや大気汚染などの刺激を受けると、活性酵素が肌の表面に発生し、表皮の角化細胞から色素形成細胞であるメラノサイトへ情報伝達物質が送られます。その結果、活性化するのがチロシナーゼです。メラニン色素の生成には、この酵素が深い関わりを持っています。
生成されたばかりのメラニンには、チロシンと呼ばれるアミノ酸ですが、酵素チロシナーゼが活性化することにより、チロシンが黒色メラニンに変わります。メラニンが生成されること自体は、肌の正常な反応ですが、紫外線を浴び過ぎたりなど、過剰にメラニンが生成されると、肌の新陳代謝が遅れてしまい、メラニンが表皮に沈着し、シミへと変化します。
このチロシナーゼを抑えれば、黒色メラニンが生成されず、美白へとつながります。美白化粧品を研究している企業では、チロシナーセ抑制成分について多様な実験を行い、美白化粧品を商品化しています。年齢と共に減っていく酵素ですが、髪の色もメラニン色素と関係があり、チロシナーゼ減少によりメラニン色素も減り、髪の黒い色が抜けていき白髪に変わっていきます。

テストステロン|Testosterone

テストステロンは男性ホルモンの一種ですが、「男性専用のホルモン」というわけではありません。
女性も男性の5~10%程度、副腎や卵巣で分泌されています。特に、胎生期や妊娠6週目から24週目は大量のテストステロンが分泌されます。これは、アンドロゲン・シャワーと呼ばれています。このホルモンにより、脳は女性的特徴のホルモン分泌の周期性を失います。このホルモンは、骨や筋肉の成長を促進させたり、男性的思考や性的衝動を促したりする要因の一つです。これらのほかにも、テストステロンは女性の不妊治療に用いられたりもします。女性ホルモンであるエストロゲンは、男性ホルモンであるテストステロンを代謝して作られています。
男性は、5%が副腎で95%が睾丸で分泌されています。思春期以降に睾丸から多く分泌され、男性的な体形を作ります。一般的に、30歳ごろから年に1~2%ずつ分泌量が減少していきます。女性の分泌量は上記の時期以外には急激に変化は起こりません。
テストステロンは男性ホルモンとして知られていますが、最適値のテストステロンは骨密度と骨形成を高め、エネルギーや性欲を増進させます。テストステロンが減少すると、内臓肥満、エネルギーの低下、情緒不安定、性欲の低下といった問題が起こります。

トラネキサム酸|Tranexamic acid

女性ホルモンのバランスの乱れなどが原因とされる肝斑、この内服治療に多く用いられるのがトラネキサム酸です。肝斑は女性ホルモンやストレスなど内的要因によって引き起こされることからわかるように、非常にデリケートです。そのため従来のレーザー治療などではシミが改善するどころか悪化する恐れもあったのです。そこで用いられるのがトラネキサム酸です。
トラネキサム酸は肝斑の原因であるメラノサイト活性因子のプラスミンの発生を抑える効果が期待できます。女性ホルモンの乱れ自体を抑える効果はないですが、シミそもそもの原因を抑えることから症状の悪化を防ぐのが目的です。逆に言えば女性ホルモンをコントロールしてシミを改善するタイプではないので、ホルモンのバランスをかく乱する恐れはなく体に優しい成分とも言えます。
ただ元々は止血剤などとして使用されてきたことから、血栓をできやすくする作用もあります。そのため脳梗塞などの血管系の病気への罹患歴がある方の服用は医師に要相談などの問題もあります。

トレチノイン|Tretinoin

トレチノインとは、ビタミンA活性体で、表皮細胞を賦活化させる効果がある薬剤です。誘導体との記載がある場合がありますが、核内で作用する本体であって誘導体ではありません。ターンオーバーを促すことから、しみやそばかす、ニキビ、しわなどの美肌治療に広く用いられます。個人差はありますが、使用開始後1週間ほどで皮膚表面が剥離しはじめ、これを繰り返していくことで皮膚の生まれ変わりを早め、肌を改善させていきます。
クリームやジェルに配合するトレチノイン濃度は0.01から0.1パーセント程度であり、肌質や症状に合わせて使用します。濃度が高いものはそれだけ皮膚への刺激が強いので、初めて使用する場合は低濃度のものからスタートし、状態に合わせて徐々に濃度をあげていく使用法が推奨されています。
トレチノイン使用中は肌が薄くなりバリア機能も低下するため、日中は紫外線に注意しなくてはいけません。肌が薄くなっている分、紫外線の影響を受けやすく、かえってしみそばかすを増やしてしまう可能性があるため、トレチノイン治療中は高SPF値のサンスクリーン剤の使用が必須です。

ドクターズコスメ|Doctor's Cosme

ドクターズコスメとは、皮膚科や美容外科、形成外科など皮膚科学の専門知識を持った医師が研究・開発に参加して作られた化粧品のことをいいます。医師の治療経験を活かしたものもあり、敏感肌の人でも安心して使えるものが多くなっています。
ドクターズコスメには、医薬部外品のような法律上の決まりに沿った商品ではありません。通常の化粧品と同様に、使用できる成分や配合量などには規制があります。したがって医師が開発に携わったからといって医薬品のような劇的な効果が見込めるというものではありません。
メディカルコスメと違って、医療機関専売品ではなく、ドラッグストアや通信販売など一般流通で手に入れることが可能です。