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再生医療|Regenerative medicine

再生医療とは、病気等でダメージを受けた臓器などの組織を、自らの幹細胞等によって復元したり機能を再生したりする医療の方法です。人間は元々自分の細胞や機能を修復したり再生したりする能力があります。その能力の要が幹細胞で、少々のやけどや傷などを自己修復させます。ところが、幹細胞は老化によって極端に数が減ってしまうので、高齢者の傷や病気が治りにくいのはその為です。
近年、再生医療に関連して「幹細胞」と言う言葉をニュース・新聞等のメディアで聞く機会が多くなりました。幹細胞を応用した再生医療は今、国家プロジェクトとして注目を集めており、美容整形の分野でも再生医療に対する関心が高まりつつあります。

サリチル酸|Salicylic acid

サリチル酸は、肌表面の角質をやわらかくする作用のある薬剤で、皮膚科ではイボやかかとの角化の治療などに用いられています。
美容皮膚科ではこれをケミカルピーリングに使用しています。ケミカルピーリングとは古い角質を剥がすことで肌のターンオーバーを高め、新しい肌への生まれ変わりを促進する治療法です。しわ・シミやニキビ跡の治療のほか、同時に毛穴に詰まった皮脂を取り除くことや殺菌することもできるので、ニキビそのものの治療にも効果があります。
従来サリチル酸はエタノールに溶かして使用されていましたが、肌に対する刺激が強く痛みや赤み・炎症などが起きやすいという難点がありました。最近ではマクロゴールという基剤に溶かすことにより、皮膚深部への浸透を防ぎ、角質層のみに働きかけるため安全性が増し、より高濃度で使用できるようになっています。そのため治療効果も高く、またサリチル酸自体が皮脂に近い性質を持つため、特に毛穴のトラブルに対しては他の薬剤よりも効果的であるといわれています。

紫外線|Ultraviolet rays

紫外線には、UV‐A、UV‐B、UV‐Cなどがありますが、肌のシミやシワに影響を及ぼすのが、UV‐AとUV‐Bです。
1日の中で紫外線の量が多いのは、午前10時~午後2時頃の間です。また、1年を通して見ると5~8月が比較的多い時期と言われています。太陽が雲で隠れている曇りの日や室内でもガラス窓を通して紫外線は入ってくるので注意が必要です。
紫外線は、皮膚の細胞遺伝子(DNA)を傷つけます。損傷した細胞は元通りに修復しようとしますが、繰り返し傷つくと修復できない傷になったり、修復を間違えることで、突然変異が起こり、シミやシワなどの老化症状の原因となります。

色素沈着|Pigmentation

細胞にメラニン色素が蓄積し、色調が変化すること。
蒙古斑や、太田母斑などのシミやソバカスの原因となります。

シミ|Freckle

シミとは、メラニンという色素が肌に染み付いてできる薄黒い斑点のことを言います。その原因は沢山あり、紫外線、ニキビや肌荒れ、ストレス、睡眠不足、加齢、ホルモンバランスの異常等が挙げられます。
メラニン色素は、メラサイトと呼ばれる色素形成細胞が作り出します。紫外線を浴びる等の刺激を受けて、細胞内で体の酸化や老化の原因となる活性酸素が発生し、メラサイトが肌を守ろうとメラニン色素を作り出すのです。紫外線以外にも活性酸素を発生させる要因は沢山あり、活性酸素の過剰な発生を止めることがメラニン色素を生み出さないために必要な方法となります。しかし、新陳代謝が正常に行われていれば、メラニン色素のついた肌は角質となって剥がれおちるので、シミとなって定着することはありません。
シミの種類は様々あり、代表的なものとして、肝斑と呼ばれる褐色のシミが目や口、額や頬などに左右対称に現れるもの、メラノサイトが紫外線によって変質して出来るソバカス、高齢者の額から頬にかけて見られる老人性色素斑などがあります。

しわ|Wrinkles

老化により、肌を支える真皮層のコラーゲンやエラスチンなどの弾力線維が失われていくと、肌に凹凸が生まれ、次第に深く大きくなり、しわとして刻まれていきます。主には法令線や口元のしわなど「固定じわ」と呼ばれます。紫外線や乾燥は肌細胞にダメージを与え、コラーゲンの破壊を進める大きな要因となるため、日頃から紫外線対策や保湿対策を心がけることが大切です。

掌蹠膿疱症|Palmoplantar pustulosis

掌蹠膿疱症はウミが溜まった膿疱と呼ばれる皮疹が手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に数多くみられる病気で、周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します。ときに、足と手のほかにスネや膝にも皮疹が出ることがあります。皮疹は小さな水ぶくれ(水疱)が生じ、次第に膿疱に変化します。その後、かさぶた(痂皮)となり、角層(皮膚の最表層にある薄い層)がはげ落ちます。後にこれらの皮疹が混じった状態になります。出始めに、よくかゆくなります。また、鎖骨や胸の中央(胸鎖肋関節症)やその他の関節が痛くなることがあります。足の皮疹は水虫によく似ていますので、診断をはっきりさせるために皮膚表面の角層を一部取り、顕微鏡で調べて、水虫を起こすカビ(白癬菌)がいるかどうか調べる必要があります。
治療方法としては、病巣感染や金属アレルギーなど、病気を悪化させる要因があれば取り除くようにします。もし、これらの増悪因子がみつからない場合は、対症療法を行ないます。先ず外用療法を選択します。かゆみが強かったり、新しい皮疹がたくさん出る場合は強いステロイド軟膏を使用し、良くなってきたら弱いステロイド軟膏や活性型ビタミンD3軟膏に変更します。

新陳代謝|Metabolism

新陳代謝とは、古い細胞が新しい細胞に入れ替わることをいいます。これは特に、健康や美容関連の意味で用いられます。体内に生じる、必要のない老廃物を排出する作用などがあります。これによって、骨格や皮膚などは古い細胞から新しい細胞へと新しく生まれ変わることができるのです。人の身体にとって必要不可欠なのがこの新陳代謝であり、上手に働かなければ病気や体調不良の原因になります。
具体的には、汗をかくこと、抜けた髪の毛がまた生えること、血液の流れがよくなること、お肌の細胞がきれいに再生すること、怪我が治ること、骨折が治ることなど、これらはこの活動によるものです。
これは運動することによって高まります。運動などによって身体を温めて新陳代謝を活発にすることにより、発汗が起こり老廃物が身体の外に排出されます。これらが低下すると、深部体温の低下や体の隅々に冷えを感じるようになります。

真皮|Dermis

人間の皮膚は、奥から順に〈皮下組織〉、〈真皮〉、〈表皮〉の三層から出来ています。真皮とはつまり表皮と皮下組織の間にある、コラーゲンを多く含む層のことです。
コラーゲンの他にもエラスチン、線維芽細胞、細胞外マトリックス(基質)などが網目状に結びつくことによって形成され、内側から肌に弾力を与えています。したがって、この線維の結びつきが古くなってコラーゲンの生成が遅れると、肌に弾力がなくなり、延いては肌のしわやたるみといった目に見える現象を引き起こすことになります。
皮膚の最上層である表皮の部分で新しい肌が作られ、成長と老化を繰り返しながら肌の外へ外へと押し上げられ、最終的に剥がれ落ちるという一連のサイクルをターンオーバーといいますが、ターンオーバーに関わるのは表皮層だけだと考えてその下の真皮のケアを怠ると、しわやたるみが増える一方の老化肌になってしまいます。しわやたるみの改善を謳ったエイジングケア化粧品の決め手が〈真皮層にまで届くか否か〉といわれるのは、このためです。真皮層にまで浸透しない化粧品では、老化肌の根本的な改善にはなりません。

蕁麻疹|Urticaria

蕁麻疹は比較的よくある病気で、15~20%の人は一生のうちに一度は経験するといわれています。一般に食べ物や薬に対するアレルギー反応として起こると思われることが多いようですが、その他感染、運動や暑さ、寒さといった刺激、圧迫や日光などによっても起こります。
皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡かたなく消えてしまう病気です。人がイラクサ(蕁麻(じんま))の葉に触れると同様の皮膚症状が起こることからこの名前がつきました。大抵は痒みを伴いますが、チクチクとした痒みに似た感じや焼けるような感じを伴うこともあります。個々の皮疹(ブツブツや赤み)は数十分から数時間以内に消えるのが普通ですが、中には半日から1日くらいまで続くものもあります。
入浴や運動など、体が温まった時、あるいは精神的緊張により汗が出る時に現れる蕁麻疹があります。コリン性蕁麻疹と呼ばれ、一つ一つの皮疹の膨らみ(膨疹)が1~4mm程度と小さいことが特徴です。
蕁麻疹の治療の第1は、できるだけ原因・悪化因子を探し、それらを取り除く、または避けるようにすることです。第2は薬による治療です。抗ヒスタミン薬または抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬が用いられます。

痤瘡|Acne

ニキビは、角栓が一番の原因です。角栓は、皮脂や角質が毛穴に詰まってできます。白ニキビは、まさに角栓が詰まって盛り上がった状態です。また、この角栓が空気で酸化し黒ずむと黒ニキビになります。さらに、角栓にアクネ菌が繁殖し炎症を起こすと赤く腫れた赤ニキビができます。この状態のニキビを指でつぶすと、ニキビ跡として残ってしまうことがあります。
にきびは、年代によって原因が異なります。10代の頃に発症する思春期にきびの多くは、ホルモンの影響による皮脂の過剰な分泌が原因です。そのため、皮脂の分泌が多い髪の生え際やおでこ、Tゾーンなどに発生します。一方、20代以降に繰り返される大人にきびは、過剰な皮脂分泌、加齢によるターンオーバーの乱れの他に、ストレスやホルモン異常、生活環境など様々な要因によって引き起こされるため、より複雑です。

SMAS層|Superficial Muscular Aponeurotic System Layer

SMAS層とは、日本語で表在性筋膜と言います。
皮膚の表面から、表皮-真皮-皮下組織-SMAS-筋肉という順に、重なっています。皮膚を支える土台とも言える部分ですので、このSMAS層が老化して皮膚と共にゆるむことで、しわやタルミの原因になるとも言われています。

成長因子|Growth factor

人間の体内で特定の細胞の成長や分裂を促進するタンパク質の総称です。体内の細胞間で起こるさまざまなできことを調整する“司令塔”としての働きを持ち、生命活動において欠かすことのできない、重要な役割を担っています。

成長ホルモン|Growth Hormone

成長ホルモン(Human Growth Hormone;HGH)は、脳下垂体前葉にある細胞から分泌されるホルモンです。
血液にのって全身に運ばれています。成長ホルモンは身体のあらゆる成長に関わっており、主なものでは骨や筋肉の成長、代謝・血糖値のコントロール、アンチエイジング(若返り)、脂肪の代謝などがあげられます。また、タンパク質の合成を促し、損傷を受けた筋肉線維の修復を促す働きもあります。

生理食塩水|Saline

生理食塩水は食塩の濃度が0.9%の食塩水です。
0.9%の食塩水は人間の体液や血液と同じ浸透圧なので、人間の体に使用しても害がありません。よって点滴や豊胸手術用のバッグの中身としても使われています。
購入する場合は医師の処方箋が必要になりますが、コンタクトレンズ用の生理食塩水は処方箋がなくてもインターネットでも購入することが可能です。
体液と似た濃度なので鼻に入れても痛くなく、コンタクトレンズの洗浄の他に鼻うがいに利用することが可能です。

石油系界面活性剤|Petroleum surfactants

石油系界面活性剤 石油系界面活性剤は、石油を精製して作られる成分の1つで、『合成界面活性剤』とも呼ばれています。 大量生産しやすいというメリットがあり、洗浄成分に優れていて泡立ちが良くするため、低価格のシャンプーや洗顔料などにも配合されやすい成分です。
石油系界面活性剤は、石油を出発物質としているだけなのですが、一般に石油が入っているようなイメージを持たれているようです。しかし、現在化粧品等で使われている界面活性剤のほとんどが合成界面活性剤で、天然由来の界面活性剤も合成することで単価が安くなるため、実際は合成されているものが多いのが実情です。

繊維芽細胞|Fibroblast

繊維芽細胞とは私たちの肌の中にあり、ハリや弾力の元となるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作る細胞です。
私たちの肌は3つの層に分かれていて、表面から表皮、真皮、皮下組織となっています。この細胞は真皮の中にあり、肌のハリ、弾力に大きく関係しています。
真皮には、たんぱく質でできたコラーゲン、エラスチンが網目のような構造を作り、その中にヒアルロン酸があります。ヒアルロン酸は水分を抱え込む力があるので真皮は水分をたくさん含んだスポンジのような構造をしています。
繊維芽細胞が元気に活動しているとコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の新陳代謝がきちんと行われてハリと弾力のある肌が保たれます。
老化や紫外線などによって繊維芽細胞が働かなくなるとコラーゲン、エラスチンが変形し弾力がなくなり、ヒアルロン酸は失われ水分が減少します。その結果、肌にしわやたるみが現れます。

そばかす|Freckles

雀卵斑(じゃくらんはん)は、一般的にそばかすと呼ばれています。幼少期くらいから淡褐色~黒褐色の小色素斑が、鼻を中心とした左右の頬の上部や、目元のまわりに小さな茶色い斑点が散らばるようにして現れます。
基本的には遺伝的な原因が強く、幼少期くらいから発生したり、思春期に増えることも多く、思春期を過ぎてしまえば消える場合もあります。