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ハイドロキノン|Hydroquinone

ハイドロキノンは、イチゴやブルーベリー、コーヒなどにも含まれる物質です。メラニン合成酵素であるチロシナーゼの阻害剤であり、シミの原因であるメラニン生成を阻害します。
メラニンは紫外線から肌を守るために、皮膚の基底層に存在するメラノサイトという細胞内で作られます。メラノサイト内にはアミノ酸の一種であるチロシンが存在し、このチロシンが、チロシナーゼという酸化酵素により、ドーパを経てドーパキノンへと代謝されメラニンが生成されます。この過程を阻害することで、紫外線を浴びてもメラニンを作られにくくします。
またハイドロキノンには、メラニンを作るメラノサイト自体を減少させたり活動を弱める作用もあるとされています。
濃度が高いハイドロキノンを使用すると、皮膚炎やアレルギーによる赤みや痒みが出現することがあります。また長期間使用を続けると、白班が出現するリスクが上がったり、ハイドロキノン自体の作用が出づらくなることがあるので、継続使用には注意が必要です。

白斑|Vitiligo

尋常性白斑とは皮膚の基底層に分布するメラノサイト(色素細胞)が何らかの原因で減少・消失する後天性の病気です。メラノサイト(色素細胞)は紫外線から皮膚を守るためにメラニン色素を産生しますが、その減少、消失により皮膚の色が白く抜けていきます。
現在のガイドラインでは以下の3型に分類されます。
1.非分節型(non-segmental vitiligo; NSV)
神経支配領域と関係なく生じる。指趾顔面型(acrofacial)、2病変部以上の粘膜型(mucosal)、汎発型(generalized)、全身型(universal)、混合型(mixed)が含まれる。
2.分節型(segmental vitiligo; SV)
神経支配領域に一致して片側性に生じる。分節が複数になることもある。
3.未分類型(undetermined / unclassified vitiligo)
限局性に1か所のみに生じた白斑である。限局型(focal)と1病変のみの粘膜型(mucosal)が含まれる。
治療方法としては、ステロイド外用療法、免疫抑制剤(タクロリムスなど)外用療法、活性型ビタミンD3外用や紫外線療法(PUVA, broad/narrow band UVB)などがあります。

白金ナノ粒子| Platinum nanoparticles

白金の微粒子によって形成されたコロイドです。白金ナノコロイド(Colloidal platinum)、プラチナナノコロイドなどとも。
抗酸化作用があるとされ、健康食品や、化粧品成分として使われています。水を電気分解するための触媒の金属に白金はよく用いられ、電気分解の際に白金が粒子状に微量に溶出します。燃料電池ではよく白金が使われているため、その粒子の状態は重要となる[3][4]。歯科でのレジンの接着時に用いられます。
化粧品に使用されていますが、生体への安全性が未解明のため、使用には注意が必要です。

ヒアルロン酸|Hyaluronic acid

ヒアルロン酸は、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸によってできている高分子の物質です。
ヒアルロン酸は、眼球の中にある硝子体の成分によって発見されました。粘性が高く、皮膚や筋肉や軟骨を作る主な成分です。また人の体を構成するための数多くの細胞と細胞をくっつける結合組織の主な成分でもあります。よって人の体を維持するためには、必ず必要である成分なのです。
ヒアルロン酸は元々、肌の中で真皮に備わっていて肌の弾力を保つ働きをしています。赤ちゃんの肌には、多くのヒアルロン酸を含んでいるため、みずみずしく弾力があるのです。しかしこれは、加齢と共に減少していきます。また食品や医薬品などにも使用されていますが、最も化粧品に配合されている事が多く、角質層の水分を中に閉じ込めて、それ以上水分を蒸発させないようにする働きをしています。

日焼け止め|Sunscreen

日焼け止めとは、日焼けによる皮膚の炎症、黑化や肌弾力の低下といった皮膚の劣化を抑えるために用いられる製品の総称です。形状としてはクリーム状、乳液状、ジェル状などが存在し、日本国内においては化粧品に該当します。
最近では、内服するタイプのサプリメントも登場し、医療機関などで販売されています。
日やけ止めに配合されている紫外線防御成分は、大きくわけて「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」の2種があり、散乱剤は紫外線を物理的に反射、吸収剤は紫外線を化学的に吸収することで、肌に紫外線が届くのを防ぐ作用があります。
日本国内における日焼け止めの強さを示す値として、PA、SPFの2種が用いられています。
PAは、老化の原因となるUVA(紫外線A波)を防ぐ指標、SPFは、肌が赤くなる日焼け(サンバーン)の原因となるUVB(紫外線B波)を防ぐ効果の指数として用いられています。
数値が高くなると紫外線からの防御効果も高くなりますが、肌への負担も大きくなるため、活動シーン、目的によって、適切な値のものを使い分ける必要があります。

表皮|Epidermis

皮膚は大きく分けて表皮、真皮、皮下組織の3つに分けることが出来ます。表皮の厚さは0.2mm程度になっており、それが角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4つの層に分かれていて、美容に大きく関わる部分になっており、外界から肌を守る大事な役割を持っています。
美容で表皮の入れ替わりのことを、ターンオーバーと言いますが、それは1番下にある基底層で表皮細胞が作られ、有棘層で栄養や酸素を補い、分裂しながら押し上げられていきます。約28日かけて角化しながら角質層にたどり着き、垢となってはがれ落ちるサイクルのことを言います。このターンオーバーが正常に行われていると、肌は透明感がありきれいで理想的な状態ですが、紫外線を浴びた時や年齢とともに、ターンオーバーの速度が遅くなると、シミなど肌トラブルが起こってしまったり、傷の治りも遅くなり残りやすくなってしまいます。

鼻唇溝|Nasolabial sulcus

鼻唇溝(びしんこう)とは、小鼻の脇から唇両端に向かってのびる溝のことで、一般的には〈ほうれい線〉と呼ばれるものを意味し、美容外科学を含む医学分野で使われる専門用語です。
いわゆるほうれい線である鼻唇溝は、誰もが生まれながらに持っているものですが、若い肌には潤いとハリがあるため、目立ちません。加齢によって肌の状態が衰えて来ると、シワやたるみとなってはっきりと目に見える形になります。鼻唇溝(ほうれい線)が老化現象の象徴のように思われているのはこのためです。
表情筋の衰えによって頬の脂肪が垂れ下がり、ほうれい線を目立たせているような場合には、口を動かすなどの方法で表情筋を鍛え、ほうれい線を目立たなくすることも可能です。しかし、人間の皮膚に現れるシワとたるみは、皮膚の表皮の奥にある真皮層を構成するコラーゲンが減少することによって引き起こされるものでもあるため、この場合には間違った方法でのマッサージや表情筋の運動は逆効果です。それらの方法が余計にコラーゲンの結び付きを弱め、かえってほうれい線を目立たせることもあるので、注意が必要です。

ビタミンE|Vitamin E

ビタミンEは脂溶性のビタミンの一つです。強い抗酸化作用を持ち、体に老化などの害を与える活性酸素から体を守る効果や生活習慣病予防の効果があります。免疫機能を高め、体内に侵入してくる細菌やウイルスを排除するのに役立ちます。また血管拡張を促進し、血管内で血液が固まるのを防ぎます。
ビタミンEはトコフェノールとトコトリエノールに分けられ、8種類存在します。特にα-トコフェノールが最も強い活性を持ち、体内にあるビタミンEの90%を占めています。多くの食品に自然に含まれており、特にアーモンドなどのナッツ類、植物油に豊富には含まれいます。必要摂取量は年齢により異なり、成人男性の場合15mg程度が摂取推奨量とされています。

ビタミンH|Vitamin H

ビタミンHは、ドイツ生まれのオランダの生化学者によって発見されたビタミンで「ビオチン」とも呼ばれており、水溶性ビタミンB群の1種でビタミンB7に分類される場合もあります。皮膚はドイツ語で「Haul」と読むため、頭文字のHをとりビタミンHと名付けられました。
脱毛を防ぐ・皮膚の健康を保つ・筋肉痛を和らげるなどの効果があり、アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎の治療、白髪を防ぐなどに有効と言われています。さらにはDNAの成分となる核酸の生産、アミノ酸や炭水化物の代謝などの働きもあります。
ビタミンHは腸内細菌によっても合成されるほか、魚介類であればイワシや鮭、豆類では落花生・大豆・えんどう豆、肉類では卵黄やレバーや鶏肉など、様々な食品に多く含まれているため不足することはありません。

ビタミンC|Vitamin C

ビタミンCはアスコルビン酸ともいわれ、骨や腱などの結合タンパク質であるコラーゲンの生成に必須の化合物です。
ビタミンCはコラーゲンの生成を促す効果(触媒作用)が期待されています。コラーゲンが生成されると肌にハリが出て、たるんだ毛穴の開きや肌自体のたるみの予防効果に期待ができます。 この効果によってシワの改善にもつながることになります。
ビタミンCは基本的には年齢肌やニキビ肌、毛穴トラブルの予防効果に期待ができる成分です。
ビタミンCそのものが乾燥肌の改善に直接作用するわけではありませんが、乾燥肌に伴う諸症状の予防につながり、肌荒れの防止やメラニン色素の抑制によるシミやそばかすの予防効果にも期待ができます。

PRP|Platelet-Rich Plasma

PRPはPlatelet-Rich Plasma(多血小板血漿:たけっしょうばんけっしょう)の略で、血液の中の「血小板」を多く含んでいる成分です。
「血小板」は人間の体の中で血を止めたり、壊れた血管や細胞を治す働きをしています。そしてこの血小板には「成長因子」と呼ばれる、体の細胞を元気にして若返らせる成分があり、この成長因子が放出されることによってコラーゲンの産生や毛細血管の新生などが促され、肌の若返りをはかってくれるのです。
このように、肌の若返りに重要な役割を担っている血小板を多く含む「PRP」を利用した治療法は、一般的に「PRP療法」「血小板療法」等と呼ばれます。

ピーリング|Peeling

お肌に残った古くなった角質や汚れなどを剥がし取り、健やかな肌へ導くのがピーリングです。
微小素材を使って古くなった角質を取り除く方法、レーザーを使って古くなった角質を取り除く方法といくつか種類がありますが、美容皮膚科などで行われることからよく知られているのがケミカルピーリングです。
一般ではフルーツ酸、医療機関ではサリチル酸やグリコール酸を肌に塗布して古くなった角質などを剥がし取ります。古くなった角質などが残ったままの肌ではターンオーバーが正常に行われずにくすんだりざらついたりします。そこで酸の効果でこういった汚れを剥がし取ってあげることで殻をむいたゆで卵のようなつるんとしたお肌になります。

副作用| Side effect

副作用とは医薬品を使用する際に現れる、治療目的の作用(主作用)以外の作用のことを言います。
狭い意味では薬品の使用によって生じた有害である作用のことを指します。副作用が特に強く、使用の際に注意が必要なものをハイリスク薬と言います。
副作用が起こる主な原因としては、薬の性質や薬の使い方、薬を飲む人の体質や体調によるものなどがあげられます。また、複数の薬を併用して服用した場合や薬を飲む前後に口にした食べ物、飲み物によって予想外の作用が現れたりします。このことを相互作用と言います。
主な症状としては、口が渇く、眠気、痒み、めまい、痙攣、湿疹がでるなどがあげられます。薬剤を使用して、何かおかしいと感じたり体に異常が現れた場合は、軽い症状であっても直ちに医師や薬剤師に相談することが大切です。また、薬剤を処方してもらう際に副作用やその薬と一緒に摂取してはいけない食べ物、飲み物について医師から詳しく説明を受けることも重要です

プラセンタ|Placenta

胎盤から抽出したエキスのことであり、豊富な栄養素に加え、体細胞を活性化させる成分が含まれています。
免疫力増進、滋養強壮効果や精神安定作用などの効果もあると言われています。
プラセンタサプリや点滴での接種が一般的です。

ほうれい線|Nasolabial

ほうれい線とは、鼻の両脇から口角に向かってできる八の字の線のことをいい、鼻唇溝(びしんこう)とも呼ばれます。
ほうれい線は若い頃から存在しています。しかし、加齢により頬がたるみ、加えて、頬を支える筋肉も衰えてしまうことで筋肉の柔軟性や張りが失われてしまい頬を支えられなくなります。そのため、頬の脂肪が下に落ちてしまい、溝が深くなることで表れます。
原因は加齢以外にもあり、乾燥や紫外線も原因となります。乾燥や紫外線は、肌の張りや弾力を失わせてしわをできやすくするため、ほうれい線を目立たせる原因にも繋がります。その他にも、喫煙や目の疲れも原因の一つであると言われています。

ホスファチジルコリン|Phosphatidylcholine

ホスファチジルコリンとは、リン脂質の一つです。レシチンとも呼ばれ、細胞膜を構成するために使われる重要な成分です。この成分は、細胞膜の形成にとって不可欠であると共に、人間の記憶や思考、さらに脂質の代謝を行う際にも重要な役割を持っています。
全身の脂肪減少効果が証明されているため、切らない痩身ともいえる脂肪溶解注射で使用する薬剤にもホスファチジルコリンが配合されています。

ボツリヌス菌|Clostridium botulinum

ボツリヌス菌とは、クロストリジウム属に該当する細菌の一種です。
この最近はボツリヌス毒素を出し、人の健康に悪影響を及ぼします。食中毒の原因の一つとして、衛生面でこの菌への対策が求められています。その一方で、美容の分野で、この菌を有効利用する動きが活発化しています。
ボツリヌス菌の美容における有効利用としては、いわゆるボトックスの美容施術があります。ボトックスは、老化により生じたシワやたるみなどを解消する手段として、また多汗症状を緩和する施術として人気が高まっています。
無毒化+無害な量を使用するため、人体への悪影響はありません。